安易に請求書を受け取ってませんか?フリーランスの給料?外注費?問題

フリーランスが受け取る業務報酬は、
・給料、作業代
・業務委託料、請負報酬
どちらにすればいいでしょうか?

どちらでもあまり変わりない、と思いがちですが、
実は大きな違いがあります。

深く考えずに請求書をやり取りしていると、
大惨事になる可能性もあります。

※iPhone7にて撮影

安易に請求書をもらっていませんか?

【ご質問】
個人でペットサロンを経営しています。
一時的に仕事の依頼が多く来たので、
同業者である友人に、トリミングを手伝ってもらいました。
その請求書には、どのように書いてもらえばいいでしょうか?

「アルバイト代 @1,080×5時間=5,400円」

などとしていいでしょうか??

 
その仕事は本当にアルバイト代でしょうか?

お互いにフリーランスとして開業していて、
雇用契約を結んだわけではないのであれば、
「アルバイト代」というよりは、
「業務委託報酬」とした方がしっくり来る気がしますね。

勘定科目でいえば、「給料」か「外注費」の違いです。

どっちでも大した違いは無いんじゃ?
と思いきや、
税務的には、リスクが大きい領域でもあり、
慎重に判断した方がいい話でもあります。。。

 

給料と外注費…どっちにすれば?

給料と外注費の違いは?

給料と外注費、そのザックリとした違いはこちらです。

給 料(雇用報酬)…従属的に行った労働に対する報酬
外注費(請負報酬)…自律的に上げた成果に対する報酬

だいぶ端折ってスッキリさせたつもりですが、
分かったような分かんないような説明ですね。

まぁ、実際ぼんやりしていて、
どっちともいえないケースも多く、税理士泣かせです。

なお、雇用契約がなければ外注費、というわけでもなくて、
あくまで実態、中身がどうかでの判断になります。

 

じゃあ結局…どっちがいいの??

どちらにも転ぶのであれば、
お得な方にしてしまえ!って話もあります。

 

もらう側的には、給料の方はありがたいでしょう。

給与扱いになると、「給与所得」に分類されます。
給与所得は、自動的に概算経費を認めてくれます(給与所得控除)ので、
税金負担が下がるケースがほとんど。

一方、外注費では「雑所得」「事業所得」に分類されますが、
この場合の経費は実費のみです。

源泉所得税が引かれるといっても、これは仮払い。
確定申告で精算されますので、実質負担は同じです。

 

しかし、払う側としては、給料にしてしまうデメリットが大きい。

給与計算事務が生じるのが最大の欠点。
支払うたびに、源泉所得税を計算して、
税務署に支払わなければいけません。
源泉徴収票の発行も必要です。
場合によっては、社会保険への加入も必要になってきます。

さらに、消費税課税事業者の場合は、
外注費にすると消費税の支払いが減りますが、給与だと減りません。

 

したがって、世の中的には、払う側の都合もあり、
外注費扱いにするケースが多いように思います。

 

安易に外注費にすると危険

メスを入れてくるのは税務署

しかし、払う側が単に「給与」扱いを逃れるために、
外注費扱いにしているのでは?とツッコミをいれてくるのが税務署。

「雇用契約を結んでいない」
「請求書をつくっている」
だけで一蹴できると思ったら大間違い。

契約が無ければ、実態で判断されます。
請求書をつくっていても、
それは参考にしつつも、やっぱり実態で判断されます。

 

給与認定を受けると大惨事

もし外注費にしていたのに、給与扱いの認定を受けると、大惨事です。

最悪のケースだと
・源泉所得税の追加負担
・消費税の追加負担
・延滞税などの罰金の負担
という三重苦が待っています。

まず、払う側は、これまで納めていなかった源泉所得税を、
まとめて税務署に払わなければいけません。

この源泉所得税は、本来は、
もらう側が払う側に返金したのちに、
もらう側が修正申告で税務署から取り戻す、
という手順を踏まなければなりません。

しかし、これをお願いするのも難しく、
泣き寝入りして、払う側が自己負担してしまう事例が散見されます。

 

また、消費税課税事業者の場合は、
外注費分の消費税の控除が認められなくなるため、
その分の追加の負担が生じます。

 

さらに、これらには、
納付が遅れた罰金(延滞税など)もかかってきます。
これは払う側の負担になります。

 

客観的に外注費と分かる体裁を

業務内容的に、アルバイトや日雇い労働的なものについては、
給料とすべきでしょう。

しかし、本来的に外注費とされるものについては、
客観的に外注費と分かる体裁を整えた上で、
外注費として処理すべきです。

そのためには、最低限、業務委託契約書を取り交わすこと。

先ほどは実態判断、とは言いましたが、
契約があれば、まずはそれをベースに考えます。

契約書の雛形は、ネット上にたくさん載っていますが、
気をつけるポイントとして、以下が挙げられます。

 

報酬の支払い

労働ではなく、成果に対する報酬ですので、
報酬の計算方法も、成果に対していくら、とします。

なお、結果的に、時間当たりいくら、一日いくら、
となっても即ダメではありませんが、
あくまで成果に対しての報酬、という考え方は守ってください。

「時給」「日当」という表現はアウトです。

 

責任

成果を出してこその報酬ですので、
業務の実施は自己の責任と管理のもと進めるものとします。

したがって、成果を上げられなかった場合(成果物が滅失した場合など)は、
報酬は請求できませんし、自己の負担により修復を行います。

また、業務を行う過程で発生した損害賠償責任も、原則自己負担です。

 

指揮命令、拘束

自己の管理と責任のもとに行われるものですので、
・指揮命令を受けない
・時間や空間的な拘束はしない
と明示します。

ただし、業務を委託する上で当然守ってほしいものはあると思うので、
その意味の最低限の拘束(いわゆる仕様書)はアリです。

 

材料、道具

あくまで自己の管理に基づく業務提供なので、
材料や道具は、原則として自分で用意するものとします。

 

 

「こうすれば大丈夫です!」
と言い切れないのが非常につらい、
この給与か?外注費か?問題です。

個別のケースごとの問題もあるため、
ブログでは踏み込んだ書き方をしづらい部分もありますが、
外注費とするなら、
まずは業務委託契約書を取り交わすことはやっておきましょう。

 


編集後記

仙台も、日中はやはり暑いですが、
朝晩はだいぶ涼しくなりました。

ランニングも、 Tシャツ1枚でさっとできるし、
暑すぎてダウンすることもないし、
最適な気温です。
10月の復興マラソンに向けて、そろそろ練習しないと。。。

昨日の一日一新

Productive(タスク管理アプリ)
※一日一新とは→こちら

飯塚 千隼

仙台初のWordPressブロガー税理士・公認会計士。
クラウド会計・Excel・ITを駆使して経理効率化。
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